㈱サタケって、どんな会社?
株式会社サタケは、1896年(明治29年)、創業者佐竹利市氏が日本で最初の動力式精米機を開発したことから始まった。それまで人力に頼ってきた「精米」という作業を機械に置き換えたことで能率は飛躍的に向上し、農業・酒造業の興隆に大きく貢献してきた。現在では光選別機、ギャバ生成装置、非常食としても利用できる「マジックライス」の製造などを行っている。実のところ、私はサタケの存在を知りませんでした。私たちが口にしている食材の陰にはサタケの技術があったのです!
冷めても硬くならない!業務用炊飯器「SILK」
工場見学が始まる前に…待合室でも目を引くものがありました。それは業務用炊飯器「SILK]です。この炊飯器はIH(Induction Heating、電磁誘導加熱)で、加圧式の炊飯器です。通常ガス炊飯器の場合、底が焦げやすく、炊飯後、器の周りは熱くなりますが、SILKの場合は米がむらなく炊き上がり、器は熱くないのです。そして、冷めても硬くなりにくいため、大手コンビニエンスストアの「おにぎり」にも使われています。
ウェルカムホールで様々な穀物と出会う
さぁ、工場見学スタートです。最初に入ったのは「ウェルカムホール」。サタケの製品は世界中で様々な穀物の加工機として活躍しています。ここでは世界三大穀物(米、麦、とうもろこし)のサンプルがたくさん並べられていました。豆腐マイスター認定講師でもある私は、大豆にサンプルに興味津々でした(笑)。薬膳でも使われる緑豆(Mung Beans)も並んでいました。稲のサンプルも飾ってあり、酒米の稲は食用米の稲穂と比べて背が高く、150~160㎝もあるのです。そして…穀類ではないですが、このウェルカムホールには食育バランスガイドの「独楽」が飾られていました。穀類は食育には欠かせない!ということなのでしょう。
テーマパークみたい!RICE MILL STUDIO「MILSTA」
次に通されたのが、「MILSTA」。2階から下を眺める形で映像とライトアップされたプラントを鑑賞しました。映像と音声で新型精米プラントMILSTAの各ユニットが紹介されました。まるでテーマパーク?映画館?にいるようでした。HPでも少し観ることができますので、ぜひご覧になってみてください。
※精米工場の人材不足や労働時間の短縮による運営難、中食・外食の要求品質の高度化など、精米工場を取り巻く環境が厳しさを増しています。これら喫緊の課題に対応すべく、サタケは次の3項目「省力化と自動化」「品質担保とリスク分散」「顧客の利益貢献」を開発コンセプトとした新型精米プラント「MILSTA」を開発しました。(HPより抜粋)
選別機の凄さ・扁平精米「真吟」を知る!選別加工総合センター
次に通されたのは、選別加工総合センター。入口にはサタケのが活躍する各分野についてや、創業者佐竹利市氏の写真が表されていました。サタケは世界150か国へ輸出しているのです。実際にサタケの社員から選別機について詳しく説明をしていただきました。実際に10㎏の米に細かな石やガラス片、虫がかじって黒くなった米を20g混ぜ込んで選別機「SLASH」にかけてみると…あっという間に選別されて出てきました。見学者の皆様は興味津々に見られていて、質問もされていました。
酒米の精米方法には「球形精米」と「扁平(原型)精米」があります。米の厚さ方向を削ることで日本酒の雑味となるたんぱく質を効率よく除去し、よりスッキリとした酒を醸すことを可能にしたのが扁平精米です。この扁平精米に由来する技術・米・酒の総称をサタケは「真吟」と命名しました。この真吟精米された酒米で醸された日本酒が「真吟酒」です。すでに日本各地で真吟酒が誕生しています。展示されていた日本酒には、私も知っている「田酒(青森県)」や「伯楽星(宮城県)」も並んでいました。
最後に
1時間近くにも及ぶ工場見学ツアー。あっという間でした。私も食に関わる仕事をしておりますが、様々な食品・商品の完成形しか見ていなかったと改めて感じました。私たちの手元に来るまでの間に、たくさんの技術・たくさんの企業がかかわっていることを知ることができました。日本が誇る素晴らしい技術をこれからも知っていきたいと思いました。